「狩猟を楽しみながら稼ぐ!」すでに実現している2人に会いに大分県日田市へ。

2022年7月22日快晴

この2人に会うため向かった先は大分県日田市。

太田製作所がある佐賀県嬉野市からは高速を使って車で約2時間半ほどの距離でまぁまぁ遠い。こんな所にタイトルにある「狩猟を楽しみながら稼ぐ!」人がいるのか〜と思いながらやってきました。
日田市は「進撃の巨人」で有名の街らしく、なんでも作者の出身地だとか・・・街を散策中に至る所で進撃の巨人ののぼりやポスター、看板を見かけます。

そんな巨人の街はここ10年で鹿被害と猪被害が増加中らしく、調査兵団が少ないことによりなかなか駆逐が進まないようです。

巨人の街、日田でお会いした方の名前は「諫山亮輔さん」「草野貴弘さん」
お2人とも大分県日田市在住で、趣味から狩猟を始め、だんだんと狩猟の沼にハマっていき、現在は自ら捕獲した鹿やイノシシをジビエとして販売しています。
これまで「狩猟」と縁がなかったり、これから狩猟を始めたいなと思っている方にとって猟を楽しむって何?猟で稼ぐとはどういうこと?と疑問だらけだと思います。
そんな猟に興味を持っている方へ向け「狩猟を楽しみながら稼ぐ!」の疑問を諫山さんと草野さんへの取材を元に解消していきたいと思います!

諫山亮輔さんプロフィール

諫山亮輔さんは本業の「着物の染み抜き」のかたわら、自分で罠を仕掛け捕獲した鹿や猪をジビエとして販売しています。本業では京都で5年の修行を積まれたそうでかなりの職人技が光る仕事と想像できます。
狩猟を始めたきっかけは京都から帰郷後、実家で栽培している農作物に猪被害がで始めたことで4年前から狩猟をスタート。
独学で罠の設置方法と鹿、猪の解体方法を学び年間約80頭捕獲。2022年にジビエ加工施設「天領ジビエ」をオープン。

 

 

 

 

 

 

 

草野貴弘さんプロフィール

草野貴弘さんはジビエ加工施設「奥日田獣肉店」を経営しています。
地域おこし協力隊として日田へ移住。地域おこし協力隊の業務をしながら趣味で狩猟をスタート。地域おこし協力隊の任期が切れると同時に専業猟師として活動を始めました。前職は出版社営業・制作で現店舗のいたるところに印象に残るデザインのステッカーが。ステッカーも自分でデザイン、作成をやっているらしくとても器用でデザインセンスが抜群です。

 

 

 

 

 

なぜ2人を取材したのか?

諫山さんはTwitterとYouTubeを使って情報発信されていました。

Twitter @ryo_inakahunter
YouTube たろちゃん

Twitterはフォロワー約1000人、YouTubeは約1万にも登録者がいます。どう見てもインフルエンサー。狩猟界の1万人は本に載っちゃうくらいの影響力です。
しかも一度も絡んだことがないのに時折Twitterに「Wジャンプ」の文字が…(太田製作所の製品)
これは会ってみたい!!有名人が我が社製品を使っている!なんで?もっと紹介して欲しいぃ!!!と下心全開で一度お会いして色々お話を聞いてみたいな〜と思った事がきっかけです。

 

 

草野さんはInstagramを使って情報発信されていました。

草野さんInstagram(okuhita1029)
「狩猟を仕事にするための本」にも6ページから登場しています。

ぜひInstagramをフォロー、本を手に取って読んでみて下さい。狩猟を仕事にするための本 6P〜登場されています!

草野さんは一度お会いした事があり、その時はキャンプでした。
知り合いを通してのキャンプで草野流キャンプは特に記憶に残っています。
鹿肉のブロックを丸っと焼いてインスタ映えな包丁とまな板を使って切る。コーヒーは何やら取っ手が収納できる高そうなコップ。(Snowpeakのチタンマグ:社員調べ)何から何までこだわりを感じる草野流キャンプ。
この時はキャンプのみだったのでぜひお店の方をいつか見に行きたい!と思っていた事がきっかけです。

狩猟を楽しむとは?

お2人の取材中「楽しみ」に繋がる要素はどんな所かなと探っていました。そこで見つけた事がこんな所かなと思います!

「獲れた喜び」「捌く楽しみ」「頂く(食べる)楽しみ」「自然を感じる楽しみ」

 

獲れた喜び

「自分が考えながら丁寧に仕掛けた罠で獲物が獲れると嬉しいものです」

諫山さんはネット、YouTubeで罠の設置方法を学んだと言います。
「太田さんのYouTubeめっちゃみましたよ」「Wジャンプなんて太田さんが産みの親でしょ!」「天才かと思いました」と終始お褒めくださり、ノリノリハイテンションで気持ち良くさせてもらいました。


この様に動画やネットの情報を貪欲に研究され学んでいるからこそ数ある手法を実践でき今の捕獲につながっていると思います。

取材中、「諫山流罠の設置法」を見学させて頂きました。

そこで感じたのが「こんなにざっくりと罠を設置しているのか・・・・・」
諫山さんの罠設置は山に入って5分で終わります。
これまで「丁寧に土を掘って、埋めて、隠して、ワイヤーまで綺麗に隠す!」が常識だった私からすると頭をハンマーで叩かれたくらいの衝撃です。
「この仕掛けで獲れる獲物を取れればいい」と諫山さんはいいます。
確かにこの手際で罠を設置できればストレスなく罠が設置でき、実際に捕獲できているので楽しいですよね。
私はこれまで丁寧に埋めては掘り返され、スレて、イノシシが来なくなって、、、とストレスが溜まります。
この温度感であれば「獲れなくてもいっかー」「いつかは獲れるっしょー」と気楽に猟を楽しめますね!

他にも自分の農地を守る人であれば被害が減る喜び。副業としている人は報奨金が増える喜び。と獲れた喜びは三者三様です。

捌く楽しみ、頂く楽しみ、自然を感じる楽しみ

「この個体はどんな肉かな?脂は乗ってるかな?」と想像を膨らませるのも醍醐味の一つです。
草野さんへの取材中、鹿の解体作業を見学させて頂きました。
解体を始める前から「この個体のバラ、ロースはあぁしよう、こうしよう」「脂は乗ってなさそうだけどうしようかな〜」
と鹿を眺めながらなんだか楽しそうな表情で何かをイメージする草野さん。
鹿の解体をあまり経験した事がない私は「何を想像してるんだろう・・・」と思いながら見学していると「おぉ意外と脂が乗ってますよ!見えます??ほらここ!ここ!」と突然騒ぎ出した草野さん。その姿を見ているととっても楽しそうです。

解体作業前
解体を終えお話していると
「野生動物は個体によって肉の質が違うんですよ、特に罠で捕獲されると動物にストレスがかかって回収に時間がかかるとお肉にできません。」
なんでも肉の状態を見るためには解体をしてからじゃないと分からないそうです。しかも罠で捕獲したら動物にストレスがかかる?!そんなに繊細な物とは知りませんでした。
他にも「この山奥で育った鹿はどんな肉になっているかな〜と想像しながら罠を設置しています。設置するときも大自然の中で設置できるじゃないですか〜。アレがいいんですよね〜・・・」と、もはや仙人レベルの草野さん。圧倒されました。
「狩猟は罠設置からジビエとして頂くまで本当の自然を感じることのできる遊び」
草野さんから「楽しみ」の全てを教わりました。

狩猟で稼ぐとは?

お2人の狩猟での収入源は「有害駆除の報奨金」と「ジビエ加工品の販売」です。
有害駆除の報奨金とは行政からの依頼を受けて鹿や猪などの野生獣(害獣)を捕獲し報奨金をもらう仕組みです。この捕獲した野生獣をジビエ加工品として販売することがジビエ加工品の販売での収入となります。まさに今でいうSDGsのビジネスモデルといえます。
お2人とも自分が飽きない程度、嫌いにならないくらいの感覚でしていると言っていました。この事が「趣味で稼ぐ」「好きな事で生きていく」とかいう生き方に当てはまるのかなと感じます。

「狩猟を楽しみながら稼ぐ!」まとめ

「狩猟を楽しみながら稼ぐ!」人は日田に実在しました。しかも2人も!


お2人とも、毎日山へ行きます!毎日罠を仕掛けます!毎日ジビエの加工をしています!とガチガチの狩猟関係の人ではなく、趣味程度、嫌いにならない程度の距離感で稼げていらっしゃるので驚きです。改めて狩猟の本来の楽しみ方、目的を再認識させていただきました。
これから狩猟を始めたい方、副業としてやってみたいなと思っている方にもお2人のビジネスモデルは非常に参考になるかと思います。
太田製作所はそんな方のお力になれれば幸いです。
今回取材の協力を頂いた、諫山亮輔さん、草野貴弘さん、ご丁寧に解説お話いただきありがとうございました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

文 ろん